NEON GENESIS EVANGELION REQUIEM OF SPIRIT
『おはよう、シンジ君、調子はどうかしら?』
「もう、いい加減慣れちゃいましたよ、全然大丈夫です」
シンジはエヴァの訓練で現在エントリープラグ内にいる。
『それはよかったわ、エヴァの出現位置、非常用電源、兵装ビルの配置、回収スポット、全部頭に入ってるわね?』
「ええ、鬼みたいな作戦部長に叩き込まれましたから♪」
『ちょっと、シンジ君、それはどういう意味かしら?』
「まぁまぁ、ミサトさんこの際なしということで」
『まったく、訓練を再開するわよ』
「はい」
『では、一応、おさらいしておきましょうか』
『通常エヴァは有線からの電力供給で稼動しています。非常時に体内電源切り替えると蓄電容量の関係でフルで一分、ゲインを利用しても最大で五分しか稼動できないわ。これはわたしたちの科学の限界ってわけ、お分かり?』
「いや、リツコさん、そんな小学生じゃないんですから『お分かり?』だなんて・・」
『そうね、わたしも言ってて恥ずかしくなってきたわ。では、昨日の続きインダクション・モードはじめるわよ』
すると実際にそこにはない第三新東京市がシンジのモニターに移る。
そこにはこの前の使徒みたいなものがいる。だが、これは訓練なので動かない。
シンジは持っているパレット・ライフルと構える。
『目標をセンターに入れて』
リツコの声がしてシンジはサキエルをパレット・ライフルのセンターに入れる。
『スイッチオン』
シンジはレバーについているスイッチを押す。するとパレット・ライフルから劣化ウランの弾が出てくる。
ただし実戦では劣化ウランは害が強いので硬核弾にしている。
その放った弾はサキエルに命中し爆発する。
「ねえ、リツコさん?」
『なに?』
「使徒はA.Tフィールドを持っているわけですからこんな遠距離から攻撃しても弾の無駄なのでは?」
『・・・・・・・と、とにかく、これはあなたの射撃訓練でもあるから、ちゃんとやって』
「はい・・」
欠けない、友
情 第
参
話
「「じゃあ、ミサトさん、行ってきます!!」」
「二人とも、いってらっしゃい」
二人は第壱中学校に通っている、現在リリーナにはヒカリがシンジにはケンスケが友達となってよくつるんでいる。
―第壱中学校―
「おはよう、シンジ」
「ああ、おはよう、ケンスケ」
「おはよう、ヒカリさん」
「あら、リリーナさん、おはよう」
四人とも朝はあいさつから始まる。まあ、当たり前のことだが・・・。
だが、今日は一人予想外の人物が教室のドアをガラっとあけた。
その人物はジャージを着ていてちょっと体育系の少年だった。
「なんや、随分減ったみたいやな」
「あ、トウジ」
「ちょっと鈴原!!一週間も無断欠席して!!」
「ほんとだぜ、この間のドンパチで怪我でもしたのか?」
ケンスケが冗談半分で聞いてみる。するとトウジとよばれた少年は意外にも真剣な顔になった。
「妹のやつがな」
「えっ?」
「あんとき妹のやつがあそこに逃げ遅れていてな、そのとき運悪く鉄板の下敷きになってしもうてな」
「怪我、そんなにひどいのか?」
「ああ、たいしたことあらへん、ただ、頭を少しすりむいただけやから」
「そうか、そりゃあよかった」
「おい、ケンスケ、一つ聞きたいことあんねん!!」
「な、なんだよ、いきなり」
「お前さん、誰や!?」
トウジはいきなりシンジを指さした。
「えっ?ぼ、僕?」
「そうや、他に誰がおんねん」
「ああ、そいつなら新しく入ってきた転校生だよ、名前は碇シンジだ。あのロボットのパイロットらいしいぜ」
「ほ〜あのロボットのパイロットやったんか。それはいきなり指さしてすまんかった」
トウジは軽く頭を下げる。だが、いきなりシンジに右手を差し出して
「まあ、ケンスケの友達やったらわいの友達も同じや、わいは鈴原トウジ、よろしゅうたのむでぇ」
「こちらこそ、よろしく。でも、ごめん、僕がもっとうまく操縦できていたら妹さん、怪我せずにすんだかもしれないだよね」
「かまへん、かまへん、もしシンジが戦ってなかったら死んでたかもしれへんやろ?それに比べたら擦り傷なんてすぐ治るやろ?」
「そうだね。じゃあ、よろしくトウジ」
「おお、よろしくな、シンジ」
ここに新たな友情が生まれた。
この三人は後に三馬鹿と呼ばれるようになる。
だが、みんなは確信していた、この友情がとてもうつくしいもので、とてもきれいなものだということを。
そのときリリーナとシンジの携帯が鳴り響いた。
「「非常召集!?」」
シンジとリリーナは顔を見合わせて
「洞木(ヒカリ)さん、先生にネルフ行ったって伝えといて!!」
「う、うん」
その直後サイレンが鳴り響いた。
『ただいま、東海地方を中心とした関東、中部の全域に特別非常事態宣言が発令されました、住民のみなさんはただちに指定のシェルターに非難してください。繰り返しお伝えします・・・』
第三新東京市にはピンク色の頭に二つ気持ち悪い目のようなものがある巨大なイカみたいなものが接近していた。
NEON
GENESIS
EVANGELION SUPIRIT OF REQUIEM
EPISODE:3
DON’T LACK FELLOWSHIP(日本語訳:欠けない友情)
―ネルフ本部―
『目標を光学で確認、領海内に入ります』
「総員第一種戦闘配置」
『了解、対空迎撃戦用意!!』
「第三新東京市、戦闘携帯に移項します」
『中央ブロック収容開始』
すると第三新東京市内にサイレンが鳴り響き民間の家はすべてジオフロント内に収容される。
『中央ブロック、及び第一から第七管区までの収容完了』
『政府及び関係各所に通達完了』
『現在対空迎撃システム稼働率48%』
「非戦闘員、及び民間人の状況は?」
「すでに退避完了とのことです」
―避難所―
「ええい!!まただ!!」
そこにハカメラにアンテナを取り付けてテレビを見ているケンスケとそのケンスケを見ているトウジがいた。
「また、文字だけなんか?」
ケンスケは「ほら見てみろ」といわんばかりに持っているカメラをトウジのほうに持っていく。
そして愚痴る。
「報道管制ってやつだよ。僕ら民間人には見せてくれないんだ。こんなビッグイベントだってのに」
トウジはそのとき思った「そんなん、思ってるのお前だけやで」と。
―ネルフ本部―
主モニターには目標の光学映像が出ている。体はまさにイカそのもので頭のようなところには巨大な丸い模様がついている。
「碇司令のいぬ間に第四の使徒襲来・・・意外と早かったわね」
その言葉にオペレーターの一人で眼鏡をかけている日向マコトが言う。
「前は十五年のブランク。今回はたったの三週間ですかね」
「こっちの都合はお構いなしか・・・・女性に嫌われるタイプね」
いや、もうすでに外見で嫌われる確率100%であろう。
山に隠れているミサイル砲台、電線に吊るしてあるマシンガンが使徒を攻撃する。
が、まったく相手にしていない。A.Tフィールドで完全防御しているようだ。
そこで冬月副指令一言。
「税金の無駄遣いだ」
まったくだ、人の税金をなんだと思っていやがる!!
するともう一人のロンゲのオペレーター青葉シゲルが告げる。
「委員会から再びエヴァンゲリオン発進要請が来てますが・・」
「うるさいやつらね・・・いわれなくても出撃させるわよ」
初号機にエントリープラグが挿入される。
「また、使徒か・・・一体なんの目的で来るっていうんだ」
―避難所―
「ねえ、ちょっと二人で話しがあるんだけど」
「なんや?」
「それは、ほら・・その」
「はあ、分かったで〜」
トウジとケンスケは女子と楽しそうに話すヒカリに近づき。
「委員長・・・わしら二人、便所や」
「もう、さきに済ませておきなさいよ!」
こうして二人だけで話す秘密の会話をする場所をちゃっかりと手に入れたトウジとケンスケであった。
―便所―
「なあ、外で見てみたいんだよ、だからさ、ロック外すの手伝ってよ」
「あほか、外に出たら死んじまうでぇ」
「ここにいたって分からないよ、こんなことは言いたくないけどシンジが負けたら俺たちだって死ぬかもしれないんだぜ」
「シンジは負けんで、あいつは強い、目を見れば一目で分かるさかいな」
「確かに俺もそう思ったけど分からないじゃないか、なあ、頼むよ」
「は〜お前はほんと自分の性格に素直なやっちゃなぁ〜」
「へへっ」
―ネルフ―
『いい、シンジ君?』
「だめって言ってもいまさらどうにもならないんでしょ」
『そうね、悪かったわ、作戦なんだけど目標のA.Tフィールドを中和しつつパレットライフルの一斉射撃。練習どおりいいわね?』
「はい、まかせてください」
『マスター、今からわたしは作戦課の副部長ですから〜よろしく〜』
「お前が〜?・・・・ったくちゃんとミサトさんのサポートしてくれよ」
『はい!』
『発進!!』
五番ゲートに固定されていたエヴァ初号機が勢いよく射出される。
射出されたのは街中第四使徒(以後はシャムシエル)と少し距離が離れている。
「さすが、ミサトさん。こういうところも考慮してあるってことか・・・」
シンジはいまさらながら作戦部長さんに感心していた。
「A.Tフィールド発生・・・」
シンジはサキエルからシャムシエルの間でA.Tフィールドの発生をマスターしていた。
シンジはA.Tフィールドを発生させてシャムシエルのA.Tフィールドと中和させる。それに気づいたのかシャムシエルは起き上がるようして戦闘体制と見える体制に入った。
腹部にはムカデの足のように何本も足が生えておりその少し上には手のようなものがある。そしてその足のようなものに守られるようにして赤い球体“コア”がある。
「目標をセンターに入れて!!」
シンジはすぐにシャムシエルにライフルを向ける。
標準がシャムシエルと重なる。
「スイッチ!!」
一回だけレバーについているスイッチを押す。すると少しの間弾を発射しておさまる。
だが、シャムシエルはなぜかまるで効果がないようだった。
「どういうことだ!?」
シンジは横っ飛びして再び構える初号機がもといたところにピンク色に光るムチのようなものが見えた。
そのムチはビルを真っ二つにする。
「あれが、攻撃方法か!!・・・・ミサトさん!!」
『なに!?』
「相手はムチのようなものでライフルの弾を弾いているようです!!」
『それなら敵の攻撃を避けながら接近して最後にライフルを敵にぶつけて怯んだ隙にプログナイフで攻撃!!』
「分かりました」
すると初号機はシャムシエルに向かって少しずつ撃ちながら近づく。それはまるで相手の攻撃を詠んでいるかのようだった。
「こんなの避けるのはちょろい!!風読み!!」
そう、シンジはムチが生み出す風を感じ取りその攻撃がくるところをうまく避けている。
そしてみるみるうちにシャムシエルとの距離が近づきシンジがシャムシエルにライフルをぶつけようとした瞬間、使徒はエヴァの後方に攻撃をしかけた。
エヴァ本体に攻撃は届かなかったが、その攻撃はエヴァの動力源アンビリカルケーブルを切断するには十分だった。
「なに!?切れただと!?・・・うわっ!?」
シンジは叫ぶが切れたアンビリカルケーブルはどうしようもない。
だが、そのケーブルがもっと状況を悪くした。いきなり切れたため初号機が前につんのめってしまったのである。
シャムシエルはその隙を見逃さなかった。初号機の片足を使徒のムチが捕らえシンジが気づいたときには離れていた山に激突した。
『問題なし、いけます』
「何が問題ないだよ、あと三分たらずしかもたないじゃないか」
シンジはエヴァを起き上がらせようとしたがあるものに気づいた。
「う、嘘だろ!?」
見てみると初号機の左手付近にはトウジとケンスケがいた。
「トウジ!!ケンスケ!!」
発令所でも二人のことはすでに知っていた。
『まさか、ジャージとカメラがなんでここに!?』
だが、そんなことはお構いなしにシャムシエルは攻撃をしかけるだが、初号機は起き上がれずシャムシエルのムチを両手で掴んだ。
ちなみにライフルは手元に残っている。
『なんや、なんで戦かわへんのや!?』
『俺らがここにいるからだ!!自由に動けないんだ!!』
―発令所―
「どうすれば・・・・・!!」
「あのーミサトさん、あの二人をエントリープラグの中に入れちゃえないいじゃないですか?」
「・・・・・!!そうよ、それだわ!!ナイスよ!!リリーナちゃん!!」
「ミサト、許可のない民間人をエントリープラグに乗せられると思ってんの!?」
「わたしが許可します」
「越権行為よ、葛城一尉」
あたりに沈黙が走る。そのときマヤが活動限界まであと二分をきったということを告げる。
「・・・・エヴァは現行命令でホールド、その間にエントリープラグの排出急いで!!」
するとシンジの乗るエントリープラグは排出されミサトの声が二人に届く。
『そこの二人、乗って!!早く!!』
二人はためらうこともなくエントリープラグ内に入る。
「なんや、水やないかい!!」
「カメラ、カメラが!!」
そのときエントリープラグが元に戻り画面に使徒が映る。
「「シンジ・・・・・」」
『神経系統に以上発生!!』
『異物を二つも挿入したからよ!!神経パルスにもノイズが混じっているわ』
シンジの手のひらにはやけどのような痛みが走る。だが、シンジは悲鳴も上げずに耐えている。
シンジは暇をしている片足でシャムシエルの胴体を蹴っ飛ばした。そして下に落ちたシャムシエルにライフルを連射する。
『シンジ君、一時撤退して!!』
「無理です、こんな近くで撤退なんかしたら使徒がジオフロントまで入ってきちゃいます!!」
『じゃあ、どうすればいいっての!?』
「この状態で戦います!!」
『ち、ちょっと!?』
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
シンジはライフル片手に使徒に突っ込んだ。
シンジは目にも留まらぬ速さでシャムシエルのムチに弾を五発ずつ撃ち込む。ムチは壊れシャムシエルは少し体を後ろにそらすような体制になる。
「逃がさねえよ!!」
シンジはパレットライフルを使徒に投げる。同時にプログナイフを装備する。
前の戦闘のように自分の能力を加える。
それをシャムシエルの赤いコアに差し入れる。
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
シャムシエルはムチを再生したのか初号機の腹部にそれを貫通させる。
「うぐあぁぁぁ!!ちくしょぉぉぉぉぉ!!!!」
『駄目です、初号機シンクロ率43%にダウン!!これでは使徒を殲滅できません!!』
『そんな!!』
「なにかあるはずだ!!何か!!・・・・・・・・・?」
シンジは痛みが少し軽くなるような気がした。
自分の握っているレバーを見てみると右手にはトウジの手が左手にはケンスケの手があった。
「トウジ・・・ケンスケ・・・・・」
シンジはそのとき必ず倒せるという確信の考えが急に頭に出てきた。
「くっ・・・シンジがこないな痛みを感じとったとわな!」
「俺たちも・・・・うぅ・・・て、手伝うぜ!!」
「「親友だからな!!」」
シンジの顔には笑顔が浮かぶ、そして思いっきり頷いた。
「「「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!」
三人の想いが一つに重なる。
そしてそのとき奇跡は起きた。
『し、シンクロ率・・・75%に上がりました!!』
『そんなバカな!!異物を二つもある状況で75%なんて・・・・・・・ちょっとプラグ内の映像出せる!?』
『はい』
メインモニターにプラグ内の映像が映る。それは三人とも勝ちたい、生きたい、友達を死なせたくないといった感情丸出しの顔でレバーを強く握る三人がいた。
『これが原因ね』
その後活動限界十秒前に使徒のコアにひびが入りシャムシエルは活動を停止した。
その後トウジとケンスケはミサトとリリーナにこってりと絞られていた。
「だいたいあんたたちが来なければもっと楽に勝ってたかもしれないのよ!!」
「あんたたちは人類を危険にさらしたのよ!!分かる!?」
「「す、すいませんでした!!!」
だが、そこにシンジの意外な意見が入る。
「ミサトさんもリリーナもそこまで攻めなくていいじゃないか・・・第一、二人がレバーを握ってくれなかったら確実に負けていたんだ!!そのことに関しては二人ともほめられる立場にあると僕は思うんですが!!」
「「シンジ・・・」」
「確かにその通りね」
そのときドアから金髪の白衣を着たリツコが入ってくる。
「リツコ!!」
「リツコさん・・・・」
「鈴原君に相田君?」
「「は、はい!?」」
「あなたたち二人はシェルターから無断で出たことは悪いことということはもうお分かりよね?」
「「は、はい!!」」
「でも、あなたたちがレバーを一緒に握ってくれたおかげで使徒は倒せた、これも一つの事実よ」
「「は、はい!!」」
「そこであなたたち二人はこれからネルフに入ってもらいます!!」
「「「「えー!!!!!!!!」」」」
これにはトウジとシンジとリリーナとミサトは驚いたがケンスケは喜びの悲鳴だったようだ。
「この理由はエヴァはレバーで動くエヴァのことだけでも極秘の情報なのにこんなことを知られたらまずいからよ」
「し、司令はこのこと知ってるの?」
「ええ、もう了承済みよ、それに二人はパイロットとして参号機、四号機、五号機のどれかに乗ってもらうわ」
「「は、はい!!」」
「それに訓練はおもに射撃、格闘、あと能力の基本と、応用をやってもらうわ」
「「は、はい!!」」
かくして二人はネルフのパイロットとしてネルフに入ることになった。