lightning


PHASE−07 決意


インビシブルにはサイレンが鳴り響いていた。
あの隊が攻めてきたのである。


ブリッジ
「クルカ、数は?」
「えっと・・・ジンが六機とシグーが一機」
「シグー!?」
『ってことはそれは隊長機だな?』
ブリッジにいきなりエラルドの無線の声が響いた。
その声にマイはこたえた。
「ええ、おそらく、エラルド少佐のリザイア・ウィングとラー君のライトニングは発進願います!」
『『了解!!』』
ラーはパイロットスーツに着替えてライトニングのコクピットにいた。
その手はあせでびっしょりである。
『ラー!!』
「はい、なんでしょう、エラルドさん!」
『緊張するな・・・緊張すれば余計な付加がかかるぞ』
「はい!」
発進が始まる。
ライトニングはカタパルトに接続される。
リザイア・ウィングは違うカタパルトに用意される。
そして赤いランプが青いランプへと変わる。
『エラルド・コウ、リザイア・ウィング出るぞ!!』
リザイア・ウィングが発進する。
続いて
『・・・ラー・ハルバートン・・・ライトニング行きます!!』
身を少しかがめてライトニングが発進する。
そしてフェイズシフト装甲を展開する。
「これが宇宙・・・無重力か・・・」
ラーはずっと地球とアルジローレ育ちだったので無重力を体験したことがなかった。
「習うより慣れろっていうけどこれは初めに習ったほうが言いような気がする・・・」
今更ながらマニュアルがあるのかどうか探しておいた方がよかったと後悔する。
「ジンは六機か・・・・エラルドさん支援お願いします!」
『おう、任せとけって!』
リザイア・ウィングがジンをけん制する。
そこにビームライフル二、三発放つ。
だが、やはり相手は正規の訓練を受けただけあってジンでもなかなか手ごわかった。
「あ、あたらない!?・・・接近戦でいけるか!?」
ライトニングはビームサーベルを抜き放ちジンに突っ込む。
ジンはサーベルで対抗しようとするがビームサーベルと実体のサーベルが一瞬ぶつかるがジンのサーベルが折れそのままジンの頭部を胴体から切り離す。
「やったか!?・・・うわっ!?」
後ろからシグーがサーベルで切りかかってくる。
もろに当たったライトニングは吹き飛ぶ。
「くっそー!!動け!!」
吹き飛ぶライトニングのバーニアを拭かせ体勢を整える。
瞬時にビームサーベルを左手首にしまい腰からビームライフルをまた右手に持つ。
そして構えてシグーをよく狙う。
「そこだ!!」
ビームを放つ。
がシグーは瞬時に避けるとバルカン砲でライトニングを攻撃してくるがフェイズシフトがあるのであまり効果はない。
『フェイズシフト・・・・これならどうだ!!』
シグーのサファイアはミサイルで攻撃してくるライトニングはシールドで防御するが一発が変な軌道を描いていたので頭に当たった。
「うわっ!!・・・ど、どこだ!?」
少しの間メインカメラが白い光で映らなくなる。
だが、やはりフェイズシフト装甲なので効果はなかった。
ライトニングのコクピットに上から来る機体ありというアラートが鳴り響く。
「上!?」
ラーはすぐにシールドを構える。だが、それをわかっていたのかサファイアの駆るシグーはライトニングの腹を切りつける。
「うわっ!!だけどフェイズシフト装甲があれば!!」
後ろから接近していた二機のジンをビームライフルで撃って撃破する。
「よしっ!!二機!!」
だが、三機目のジンがバズーカを撃ってくる。
しかし、ライトニングはそれをシールドで防御しビームライフルを瞬時に放つ。
当たらなかったがバズーカを破壊できたようである。
『そろそろ落ちろ!!』
サファイアは叫びながらシグーのバルカン砲を連射する。
「あれは、さっきの!?」
ラーはビームライフルを放とうとするがトリガーをひいても打ち出されない。
「た、弾切れ!?・・・・うわっ!!!!」
シグーに体当たりされた。
そして未着したままバルカン砲を連射する。
「この!!離れろよ!!」
頭部についているバルカン砲でシグーを攻撃するがそれに気づいたサファイアはシグーを瞬時に移動させる。
『なかなかやるな!!だが、甘いのだよ!』
「な、なんだと!!」
シグーは後ろに回りこみライトニングの背中をまたもやバルカン砲で連射する。
「くそっ!!」
だが、そのときリザイア・ウィングが突っ込んできた。
『大丈夫か!!今支援する!!』
「エラルドさん!!」
リザイア・ウィングがビーム砲を放つ。
シグーがそれを避けるためにライトニングから離れる。
『パワーは大丈夫か?』
「はい、なんとか!!まだ、やれます!」


インビシブル
『左舷にジン一』
『バリアントてっー!!』
インビシブルの武装が一機のジンを破壊する。
「マイさん!!シャイニング・バード発進します!」
『!!ルゥさん!?・・・・操縦できるの!?』
「ええ、飛行機の操縦を何回かやったことがあるので!!」
『分かったわ、発進よろしく』
「はい!!」
白と赤を基調としたリザイア・ウィングと同型機であり機動性に富んでいる機体である。
「ルゥ・ハイウィンド・・・シャイニングバード行きます!!」
シャイニング・バードが勢いよく発進する。
ルゥは確かに飛行機の操縦をアルジローレの中で行ったことがあるが戦闘機はやったことは当然ない。
だが、ラーを助けたい一心で発進したのである。


「ルゥが発進した!?な、なぜ!?」
『分からないわ。でも、気をつけて。あの子おそらく戦闘機には乗ったことないはずだわ!』
ラーは当たり前だと言いたかったが今は戦闘中だったので言わなかった。
そのシャイニング・バードにレクの青いジンが近づいていた。
「ルゥ!!逃げろ!!」
『落としてやる!!あのMSが落とせないのなら支援兵器を落としていったほうが格段に楽だからな!』
レクのマシンガンがシャイニング・バードを狙う。
だが、ライトニングの体で防御される。
「逃げろって言ったろ!!」
そのとき急にライトニングが灰色になる。
フェイズシフトがダウンした証拠である。
「し、しまった!・・・・・ふぇ、フェイズシフトが・・・・・・」
『ダウンした・・・もらったー!!!』
レクのジンが突っ込んでくる。今のライトニングはジンのサーベルでも胴体をゆうに切り裂くことができる。
「ちっ!!ここまでか・・・・ルゥ、逃げろ!!今のうちに!!」
「いやよ!!私はラーを支援しに飛んできたのよ!!」
「なにかあるはずよ!なにか!!」
そのときルゥは光っている一つのボタンを見つけた。
そこには小さくドッキングと書いてあった。
「?・・・・・いけるかも・・」
そのボタンを押した。
その瞬間ルゥが乗っているコアの部分がはずれ分離しインビシブルの方向に自動的に変わる。
そして分離したシャイニング・バードの部分がライトニングのバックパックに接続される。
そのとき一気にエネルギーが回復し満タンになりフェイズシフトが展開される。
「こ、これは・・・ドッキング!?・・・シャイニング・バードが!?」
レクのジンがすぐそこまで迫っていた。
「し、しまった!」
逃げようとバーニアを吹かすとものすごいスピードでその場からライトニングが移動する。
「は、はやい!?」
『なに!?避けただと!?』
「もらった!!」
ライトニングはビームサーベルでレクの青いジンに切りかかる。
だが、コクピットを破壊できず両足を持ってった。
『くそっ!!これじゃあうまく飛行できない!・・・隊長撤退します!』
『なに!?なら私も撤退する。仲間は見捨てられんからな・・・』
『すみません、ありがとうございます・・・』
すべてのジンは母艦に戻っていった。
「か、勝った・・・・・」
ラーはしばらくの間・・・帰還信号が出るまでそこでライトニングを動かさずただ宇宙空間を漂っていた。




予告
敵を退けたラー。
そして月から地球軍の艦隊が接近していることを知らされる。
その艦隊はよく見知っている人だった。
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