新世紀エヴァンゲリオン2 星を継ぐもの

第壱話『Zサイド』使徒再来

 

ネルフアメリカ第一支部

ここはアメリカにあるネルフの第一支部である。

ここではいつ攻めてきても可笑しくない使徒の対策がされていた。

新型エヴァの開発である。

その新型エヴァを完璧なまでに乗りこなした少年がいた。

その少年は毎晩のように乗ったこと、使徒と呼ばれる敵と戦ったことを思い出していた。

そうこの夜も・・・。

 

 

一週間前・・・・・。

『シン・ユグドラシル』はいつものようにジャンク屋仲間と一緒に建物などを修理していた。

そして、もう使えないものは自分の家に持っていって改良するなどしていた。

だが、その日はそれどころではなかった。

非常事態宣言が発令されシェルターに非難することになった。もちろんジャンク屋仲間も一緒である。

「ねえ、大丈夫かな?」

金髪でポニーテールの活発そうな少女・・・『ミアーネ・ムラカ』がシンに聞いてきた。

「仮にもネルフが用意したシェルターだし・・・・心配いらないと思うよ」

シンは軽い気持ちで答える。だが、シンの言葉を否定するかのような言葉が横から返ってきた。

「でも、最近は使徒とか戦略自衛隊とかもネルフに反抗することはなくなったからシェルター作りにも手抜きがしてあったりしてな?」

そう言ったのは『ステイル・キアラン』という黒髪の少年である。

そのときシンの頭の中にあるものが浮かんだ。

「あっ!?」

突如頭の中に広がってくる軍のミサイル攻撃。

そしてそれをもろともしない緑色の巨人。

それが脳裏から消える頃にはシンは走り出していた。

「シン、どこいくのよ!?」

シンが向かったのはシェルターの出口だった。

そのドアをショートさせ開けて外に出た。

そこには軍と戦っているさっきの脳裏に出てきた緑色の巨人がいた。

「あれは、さっきの・・・・・・・!!」

シンのすぐ上を爆撃機が飛んだ。

「うわっ!!」

シンは思わずしゃがみこんだ。

しかし、使徒は手からビーム砲のようなものを発射して爆撃機を打ち落とす。

「うわっ!」

それはシンのすぐ近くに落ちた。そして爆発した。

シンはもう駄目かと思い目を瞑った。

だが、シンが吹き飛ばされることはなかった。

シンの目の前にはロボットのようなものの足があった。

シンはすぐ上を見た。そこにはエヴァンゲリオンがあった。

「・・・・・こ、これは!?」

そのとき緑色の巨人がロボットに向かってさきほどのビーム砲のようなものを発射した。

エヴァンゲリオンは回避しようとしたがシンがいるため回避ができなかった。

そして腕で防御しようとしたが防御しきれず倒れこんだ。

使徒はそれを無視してネルフ第一支部に進んだ。

「げほ、げほ・・・・・これって『エヴァ』だよな?」

父親が持ってきた写真で形状を何回か見たことがあるのでシンにはそれがエヴァだってことは分かっていた。

シンは乗れる思いコクピットハッチに近づいた。コクピットハッチを開けた。

シンにとってコクピットハッチを開けるなどということは容易かった。

コクピットハッチは機械的な音をたてて開いた。

「よし、開いた・・・・・・ん?」

だが、コクピットに乗っていたのはジャンク屋仲間である『ミカ・コンフォル』だった。

ミカはパイロットスーツを着ていた。

「お、おい!!ミカだろ?」

「う・・・・・・・うん・・・・・・・・・・・・・シン?」

ミカは今にも消えそうな声で答えた。

ちょっと目を開けている。

シンは構わずにコクピットに入ってミカを抱き上げてコクピットの空いているスペースにそっと寝かせた。

流れ弾が来ては大変なのでシンはハッチを閉じた。

「ったく、なにやってんだよ!!」

「そ、それは・・・・・・ごめんなさい」

「あ、誤らなくてもいいよ。でも、なんでパイロットスーツなんかを!?」

シンはこのとき聞かなくても答えは大体予想できていた。だが、聞かずにはいられなかった。

「それは・・・・・・・私は・・・・・・ネルフの・・・エヴァのパイロットだから・・・・!!」

「・・・・やっぱり」

「そこ・・・・どいて・・・・私・・・使徒を倒さなくちゃ・・・・皆が死んじゃう・・・」

「止せ!そんな体では無理だ!俺がやる!」

「あなたには・・・・・!無理よ!」

「やってみなくちゃ分からないだろ!それに・・・俺だってジャンク屋の端くれさ。ロボットの一つや二つ!!」

シンは電源を入れて再起動させた。

そしてレバーを握った。

(俺は知ってる・・・・・・・・頭じゃなくて体が腕が足が指が知っている!?)

シンは考えた。

(立ち上がる・・・・・・・・立ち上がる)

そしてエヴァンゲリオンは立ち上がった。

そのとき無線から気の強そうな女の声が入った。

『ミカ!ミカ!・・・・・大丈夫!?』

シンはその声に冷静にこたえた。

「ミカは無事です・・・しかし、これではまともにこの機体を操れません」

『あなた、誰!?』

「俺はミカの友人のシン・ユグドラシルといいます」

『何故、その機体に!?』

「シェルターに入ろうと思ったら偶然この機体が倒れてきたんです。それでつい」

『機体は動かせるの!?』

「できます!」

シンはこの問いにだけは自信を持って言えた。

(大丈夫だ・・・・・・いける!)

シンは起き上がらせるとバーニアを吹かし使徒に向かう。

近づいたときシンの脳裏に浮かんだ。使徒がさっきのビーム砲でこのエヴァに攻撃してくるのが見えた。

シンジはさっと横によけた。おかげで使徒の攻撃は空振りに終わった。

そしてシンは使徒にタックルをかました。

使徒が吹っ飛ぶ。そしてシンがもう一発殴ろうとしたとき壁のようなものが現れた。

「これは・・・・・・・・そうだ!!A.Tフィールドだ!」

シンはそれがA.Tフィールドだと分かるとすぐさま自機のエヴァもA.Tフィールドを展開させた。

二つのA.Tフィールドは干渉し中和した。

「もらったー!!」

シンは手首に装備されているミサイルで使徒を攻撃した。

使徒のいたところには大きな爆発が見られシンの乗ったエヴァも吹っ飛んだ。

「うわっー!!!」

だが、こんな爆風ではエヴァは諸共しなかった。

ただ一つ問題があった。

パイロットがエヴァのように頑丈ではないことだった。

使徒はダメージを負ったがまだ、生きていた。

エヴァを敵と認めたのか向かってくる。

そしてビーム砲を撃とうとしたそのとき!

「!!!!!!!!」

シンの頭の奥で何かが弾けた。

シンに異変が起きた目は真っ赤に染まり赤色のオーラのようなものが神々しく光っている。

それに呼応するかのようにエヴァも赤いオーラを纏った。

使徒のビーム砲はそのオーラによって完全に無効化されていた。

「消えろー!!!」

両方の腰に一本ずつあるビームサーベルを抜き放つ。

そのビームサーベルも赤いオーラに包まれていた。

そして二本同時に使徒へ振り下ろした。

使徒は三つに分かれた。

そして動かなくなった・・・・・・。

 

 

 

 

『何もかもが偶然だった・・・・。

いや、この世に偶然などないのかもしれない。

あるのは必然と運命だけ・・・・・。

もう還られない。

だって俺は目覚めてしまったのだから・・・』

 

 

 

 

次回予告

初めての搭乗で使徒を撃破したシン

だが、シンにとってエヴァに乗ることは苦痛でしかなかった。

しかし、ミカ・・・そして友の言葉によってある決意をした。

次回、シンの決意

迫り来る使徒を撃破せよ!Z