新世紀エヴァンゲリオン2 星を継ぐもの
第四話『Zサイド』スナイパー
発令所
『マッキンリー山にてパターン青を確認!!』
「タイプの識別急いで」
マッキンリー山とはアラスカにある大きな山である。
今回はそこに使徒が出現したのだ。
「でも、いきなり現れるなんて・・・」
マリューはつぶやいた。
普通は使徒が侵攻してくるのが見えるはずだ。
それが見えずにいきなり現れるとは・・・。
『タイプ識別完了・・・・・これは!?』
マリューの正面に三つあるオペレーター席の真ん中に座っている『ミリィ・ラーズ』が叫んだ。
『タイプはラミエルA型種と確認!』
「ラミエル・・・・」
ラミエルとは使徒戦役のときオーバー・ザ・レインボウを壊滅させた超強力な加粒子砲を使ってくる強敵である。
使徒戦役のときはZガンダムのハイパーメガランチャーで超長距離射撃を行って撃破した相手だった。
「すぐに、使徒戦役のときのデータと照らし合わせて!今回は少し厄介のはずよ!」
作戦会議室
ここにはパイロットたちが集まっていた。
この場所をかっこよく言うと作戦会議室、簡単に言うとパイロットの待機室だ。
そして今ここにはシン、ミカ、コウジがパイロットスーツを着て椅子に座っていた。
「使徒って一体何者なんだろうね?」
コウジが不意に小さくつぶやいた。
だが、何も音がしていなかったので意外に大きくシンとミカには聞こえた。
「使徒・・・・・・さあ、何なのかしらね・・・」
シンにはミカの言葉がなんとかなく知らないフリをしているんじゃないかと思った言葉だった。
それっきり会話は終了していた。
しかし、丁度そのときマリューが入ってきた。
そして大きなスクリーンの電源を入れた。
「今回の使徒はちょっと厄介よ。特にシン君、この前のサキエルみたいに簡単にはいかないからね」
「大丈夫です。使徒が一種類ではなく様々な種類がいることぐらいはコウジから聞いてますから」
シンはちらっと横目でコウジを見た。
すると、コウジは「うん、そうだよ」といった感じで合図をした。
マリューはそこで咳払いをするとスクリーンにさっき集めたデータを映し、説明を始めた。
スクリーンにひし形の巨大な使徒の姿を映し出された。
「これが、今回の使徒ですか?」
シンが使徒とは信じられないといった顔でマリューに聞いた。
それはそうだひし形だけなのだから。
「ええ、そうよ。見た目はひし形で変な奴だと思うけど、こいつはサキエルより相当強くて手ごわいわ」
そして映像が変わり何かビーム砲のようなものを発射している画面に変わる。
「敵は攻撃範囲内に入ったものをその強力な加粒子砲で撃破するものを思われるわ」
「加粒子砲?」
「簡単に説明すると超強力なビーム砲みたいなものよ」
「へぇ・・・それは手ごわいな」
「ZガンダムMK−2のシールドをもってしても五秒はもたないわね」
シンはその言葉でちょっと顔色を悪くした。
「それはともかく、防御面でもすごいわ」
ラミエルの映像が何かの攻撃に対してA.Tフィールドを発生させて防御している映像に変わった。
「ラミエルのA.Tフィールドははっきり肉眼で見えるほどの強力なものが展開されているわ。これを中和させ消滅させるにはこっちも強力なA.Tフィールドが必要になるけど・・・今の戦力でこのA.Tフィールド以上のA.Tフィールドを発生させるのは不可能に近いわ」
「そうだとしたら対抗策がないに等しいんじゃ・・・・」
ミカがつぶやいた。
しかし、マリューはそんなことはないといったふうな口調で説明した。
「そうとは限らないのよ。敵は加粒子砲を撃っている間はA.Tフィールドを発生できないと思われるわ。これは使徒戦役のときの戦いから分析したもの。確率は82.4%」
そ言った瞬間三人の顔が明るくなる。
「今回の作戦は一人が攻撃を受ける防御役、そしてもう、一人は本命の砲撃手。そして最後の一人がもしも、ときのためのバックアップ」
「バックアップ?」
「そう、もしも、砲撃手の攻撃で使徒が倒せない場合近寄って格闘戦で目標を撃破。これで行くわ」
「そして、担当だけどミカは砲撃手を担当、コウジ君は防御担当、そしてシン君が・・」
「バックアップ担当ですね」
「ええ、そうよ。もしものときは頼むわ!」
「分かりました」
「全パイロット各エヴァに搭乗!以降は別命あるまで待機!」
三人のパイロットは作戦会議室から出て行った。
シンはいつものZガンダムMK−2にミカは『ガンダムスコーピオン』コウジは『Pガンダム』に搭乗した。
ガンダムスコーピオンとはバックパックに大型のフライトユニットが装備されており機動性に優れ火器を使い後方支援向きな機体。カラーは白。
一方Pガンダムとは『プロテクトガンダム』という名前である。両肩、胸部、バックパックに『ガーディアン』というものがついておりこれはハードポイントと呼ばれ様々な武装をここに装備しておくことができる。その種類はビームライフルはもちろん、ビームブレイドや、さらには超巨大なビーム砲、ビームシールドなども装備できて中距離の戦闘に向いているが機動性に少し問題がある機体。
閑話休題
三人とも神経接続をして待機していた。
そしてマリューから命令がきた。
『三人とも発進オッケーよ。でも、出た瞬間に攻撃してくると思うから気をつけて』
三機の機体は発進した。
そして所定の位置に着いた。
すると、それに気づいたのかラミエルが加粒子砲を撃ってきた。
だが、三機はそれをジャンプで避けた。
『作戦通りに攻撃を展開。目標を撃破して!』
「「「了解!」」」
三機はそれぞれの攻撃を展開した。
『いい?ミカ?ライフルの弾は三発しかないから敵の中心部・・・加粒子砲が発射されてると思われる部分を狙って!』
「了解!」
ミカはライフルを構えるとラミエルに狙いを定めて指示されたポイントを探す。
「・・・・あれね」
ミカが発見したところには小さい穴のようなものが無数にあった。
「よし、狙撃するわ!コウジ君、お願い!」
「分かった」
コウジはミカの前に出てビームシールドを展開した。
するとラミエルはそれ目掛けて加粒子砲を発射した。
だが、コウジのプロテクトガンダムのビームシールドも伊達じゃなかった。
加粒子砲を正面から防いだ。
そして防いでる間にミカはライフルでさっき発見した場所を撃った。
プラズマが二発穴があるところに当たるがラミエルは消滅しなかった。
「これが最後!・・・・・・・・・・・・・!!」
だが、ラミエルが撃った瞬間敵は加粒子砲を撃ち終わりA.Tフィールドを出現させて防御してしまった。
「しまった!?」
ライフルは弾がなくなり自動的にマガジンが地面に落ちた。
「ちっ!」
『ミカとコウジ君は後退!シン君出番よ!』
「待ってました!行くぜ!」
シンはZガンダムMK2のバーニアを噴かせてラミエルに突撃させた。
だが、ラミエルとてバカではなかった。
すぐにそっちの方面に加粒子砲を放った。
しかし、機動性にすぐれるZガンダムMK−2は完全に攻撃を避けて簡単に敵の目の前まで来た。
「よし、いける!!」
ビームサーベルで攻撃しようとした瞬間!
「ぐっ・・・・・ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「シン!!」
突如ラミエルはZガンダムMK−2の頭に加粒子砲を放った。
ほぼ、ゼロ距離に等しいであった
ミカが叫びラミエルの近くに行こうとするがコウジがそれをとめた。
「何よ、離して!!」
「今!シン君のところにいけばラミエルは君を狙う。シン君のことだ。たぶん、君をかばうだろう!!」
「今は、シン君を信じて待っていろ!」
そうコウジが叫ぶとミカもおとなしくなる。
それを意識が薄くなっていく中でシンは聞いていた。
「もう、無理だ・・・・・ごめん、ミカ」
そのとき一番初めにサキエルと戦ったときと同じようにシンの頭の奥で何かがはじけた。
その瞬間ZガンダムMK−2に赤色のオーラが出てきた。
それと同じようにシンも赤色のオーラを出していた。
「三倍返しといこうか!!」
シンはビームサーベルを抜き放ち先ほどミカが発見した部分にビームサーベルを突き刺した。
すると、ラミエルは紫色の球体を放ったあとあとかたもなく消え去った。
「はぁはぁはぁ・・・・・・」
シンはコクピットの中で熱さのあまり意識を失った・・・。
『裏切ったと思った・・・。
だけど俺は裏切ってはいなかった。
それはとてもうれしいことだった・・・』
予告
偽者と本物。
それは悪しきものと良きもの。
だが、ときとして人はそれの区別が分からなくなってしまう。
そうこのときのように・・・。
次回 第六話 罠
偽者に惑わされるな、シン!